ambrosia

幸せなカカオのお話

カカオがもたらすヘルシーな幸せ

私達の心を虜にするチョコレートの主成分、カカオ。実はカラダもココロも喜ぶ成分がいっぱいの、素敵な食べものなのです。どんな時でもひと口食べると幸せな気持ちにいざなってくれる、その秘密について学んでみましょう。

ハワイで生まれて初めて採れたての生カカオを食べ、運命的とも言える衝撃を受けた著者が情熱を込めて書いたチョコレート礼賛本です。カカオの歴史やレシピ、豊富な栄養成分等、カカオの情報満載の同著書の中から、最近話題の抗酸化物質について書かれた箇所等を一部抜粋しました。

出典:NAKED chocolate (David Wolfe and Shazzie著)より

カカオの化学成分Chemical Composition of Cacao

カカオには、科学論文でも薬理学的に優れていると評される以下の成分が含まれています。

アナンダミド、アルギニン、 エピカテキン 、ヒスタミン、マグネシウム、フェニルエチルアミン(PEA)、ポリフェノール、 サルソリノール 、セロトニン、テオブロミン、トリプトファン、チラミン、ビタミンC

フェニルエチルアミン(PEA)
フェニルエチルアミンは、“ラブ・ケミカル”の異名を持ちます。厳格かつ科学的実証に基づけばこれは真実ではないかもしれませんが、素晴らしい名前ですね。PEAは魅力、興奮、高揚感といった感覚を創造する助けになると考えられています。恋に落ちるとPEAレベルが上がり、活力がわいて楽観的な気持ちで満たされます。PEAはハッピーな人達の脳に豊富に存在するのです。
アナンダミド(ブリス・ケミカル)
アナンダミドという神経伝達物質は、1996年に神経科学者のDaniele Piomelliによってチョコレートから分離されました。アナンダミドは、人間の脳に存在する内在性カンナビノイドです。アナンダミドは、脂質の一種であり、“ブリス(至上の幸福)・ケミカル”として知られています。私達がとても気分の良い時には、アナンダミドが分泌されています。実は、アナンダミドという言葉は、サンスクリット語の“アナンダ”に由来しており、アナンダとはブリス(至上の幸福)という意味なのです。

カカオの抗酸化物質Antioxidants

ニューヨークタイムスに掲載された調査によると、生のカカオ豆は抗酸化フラボノールを極めて豊富に含みます。100gのカカオ豆には10,000mg(10g)ものフラボノール抗酸化物質が含まれています。これは抗酸化物質の凝縮レベルが10%という途方もない数字です!カカオが最も優れた抗酸化物質の供給源であると言えましょう。

コーネル大学の食物学者はカカオパウダーが赤ワインのほぼ2倍、また、緑茶の3倍の抗酸化物質を含んでいることを発見しました。

抗酸化物質のORACレベル(単位:100g)

ダークチョコレート 13120 イチゴ 1540
ミルクチョコレート 6740 ほうれん草 1260
プルーン 5770 ラズベリー 1220
レーズン 2830 芽キャベツ 980
ブルーベリー 2400 プラム 949
ブラックベリー 2036 アルファルファ 930
ケール 1770 ブロッコリー 890

情報源: 米国農務省(USDA) / Journal of the American Chemical society

乳製品と抗酸化物質Dairy Products and Antioxidants

カカオとダークチョコレートは抗酸化物質が極めて豊富です。しかし、乳製品を加えると、抗酸化物質の効果は失われます。研究によると、乳製品がチョコレートに含まれる素晴らしい抗酸化物質の吸収をブロックするのです。

カカオとアレルギーAllergy

最近の研究によると、チョコレートにアレルギーがあると考えられていた500人のうち、陽性なのはわずか1名でした。

チョコレートが主なアレルゲンであるという考えは長い間あります。しかし、最近のエビデンスによると、チョコレートへのアレルギーはかなり稀です。実際には殺菌済み牛乳や乳製品へのアレルギーという場合が多いのです。殺菌済み牛乳は最もアレルギーを起こしやすい食品です。

カカオとニキビAcne

米海軍兵学校の研究では、チョコレートがニキビを発生あるいは悪化させるという証拠は無いという結論が出されました。
むしろニキビはチョコレートに使用されている精製糖がトリガーになっている可能性があります。精製糖は低血糖症、ホルモン変動、怒りっぽさ、皮膚トラブルを起こす可能性があります。

実際に私達は、高品質、オーガニック、乳製品不使用、カカオ70%以上の加熱製造されたチョコレートを食べた後でもニキビが出来る人達を見たことがあります。しかし、同じ人達に生カカオを食べさせてもニキビは出ないのです。大量に食べさせても(1日20-40粒相当)です。

こうした経験から、私達は、加熱することでカカオの化学的構造が変化し、加工チョコレートに含まれるアレルゲンがたとえ少なくても、アレルギーを起こしやすくするのではないかと考えています。